上田ささや 社長の日記

長野県上田市の結婚式場ささやが発行している月刊『ささやタイムズ』。社長が書く名物コラムをブログで公開いたします。 また、日ごろ考えていることを不定期に掲載いたします。

初めてのアメリカ その3

 しどろもどろのうちに、アメリカ大陸での初めての食事を終えました。食事を終えても、やはり喉の調子がおかしいのです。薬を飲もうと思いましたが、学生の気軽さで、薬は何も持ってきておりませんでした。このままだと本格的に風邪をひいてしまうかもしれないなと思い、近くにあったドラッグストアまで歩いていきました。
 たくさんの種類の薬が並んでいました。それらを手にとって自由に選ぶことが出来るのです。当時の日本にはドラッグストアというものはありませんでしたから、このスタイルはとても新鮮でした。風邪薬とうがい薬を探します。風邪薬はパッケージを見れば、何となく分かりました。ところがうがい薬の場所がわかりません。うがい薬はガーグルとか言ったはずだよなと思い、売り場担当の方に場所を聞いてみました。
 ところが、係の方に、ガーグル!と何度発音しても通じないのです。仕方ないので、最後にはその人の前でガラガラ、プーッ、とやってみました。するとその係の方は「オゥ、ガーグル!」と言って、うがい薬の並んでいる場所を教えてくれました。さっきからそう言っているじゃないの!と思いましたが、結局、私の発音が悪かっただけのことでした。
 ホテルの部屋に戻り、シャワーを浴びていると、アメリカに初めて上陸した喜びとともに、何となく心細さを感じました。アメリカだから、日本では見ることの出来ないような、何かすごい魅力的な番組でもやっているのかな〜と興味津々でテレビのチャンネルを回してみましたが、期待したようなものは何もありませんでした。薬を飲んですぐ寝てしまいました。
 翌朝起きると、喉の調子がますます悪くなっておりました。この日は朝一番のフライトでダラスからボストンへ飛ぶのです。朝5時前にホテルのシャトルにのせてもらってDFW空港へ送ってもらいました。シャトルバスの運転手が「こんなに早く空港に行っても飛行機は飛んでいないよ」と言います。自分としては早めに着いたほうがいいと思って二時間前に空港へ着くようにしたのです。空港へ着くと、運転手が言ったとおり、お客も航空会社のスタッフも誰もいませんでした。やはり早すぎたようでした。チェックインカウンターの係が来るまで、薄暗いロビーで一人じっと寝ながら待っておりました。
 チェックインが済んでもまだまだ時間がありましたので、朝食をとることにしました。対面で注文して、係の方にとってもらうカフェテリア方式です。私はアメリカ式の朝食にしようと思い、考えて「grits, scrambled egg, bacon,coffee,O.J.」と注文しました。すると、私のすぐ後ろに並んでいたテキサス紳士が、「All the same as him!」と言ったのです。アメリカ人にそんなことを言われるなんて、自分もアメリカ人になったような気分でした。
 ダラスからボストンに向かうアメリカン航空の直行便はがらがらでした。軽いせいでしょう、DC-9はまるでロケットのようにすごい角度で青空へ飛び上がっていきました。一般的に飛行機の中はかなり湿度が低いのです。風邪をひいているときに長時間飛行機に乗るのは非常に辛いことです。このフライトで私はますます具合が悪くなってしまいました。喉が痛くて、水が飲みたくなり、フライトアテンダントに、水を頼みましたが、怠惰なFAだったせいで、なかなか持ってきてくれませんでした。学生ながらに、アメリカのサービスも、アメリカ経済同様、ダメなんだな〜と思いました。
 さて、飛行機がランディングすると、なんとボストンは大雪だったです!!!テキサスはあんなにからっとしていたのに、ボストンは雪が深々と降っています。空港からのシャトルを降りて、雪の中をとぼとぼと歩いてホテルへ向かいました。雪かきをしている人に道を聞くと、丁寧に道を教えてくれました。心細いときに親切にされてうれしかったです。寒い雪の中を歩いて、あまりにも具合が悪いので、途中にあったマーケットのセルフ式のカフェでミルクティーを頼みました。スタッフは大きなカップにディーバックをいれ、お湯を入れて、ミルクをドバドバといれました。雑でシンプルでアメリカ的でした。
 ミルクティーを飲みながら、雪の中を歩いて、ようやくホテルに着きました。このときにはかなり具合が悪くなっていました。喉と頭痛と発熱です。初めての海外旅行ですが、そうも言っていられません。しばらくの間、ただただ寝る事にしようと思いました。毛布がほしかったのですが、ブランケットという言葉が思い出せませんでした。いろいろ説明してやっと毛布を持ってきてもらいました。この日から丸二日間、ずっと部屋で休養する羽目になってしまったのです。

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