上田ささや 社長の日記

長野県上田市の結婚式場ささやが発行している月刊『ささやタイムズ』。社長が書く名物コラムをブログで公開いたします。 また、日ごろ考えていることを不定期に掲載いたします。

初めてのアメリカ その2

 乾燥した冬のテキサスの戸外で何時間も待ったので、喉がいがらっぽくなってしまいました。私は風邪をひくときには、ほぼ間違いなく喉からおかしくなるのです。まずいな〜という不安がよぎりましたが、もはやどうしようもありません。初めての海外、初めてのアメリカです。どんなことになろうとも、やりたいことを全てやってみようと思いました。
 陽が落ちかかるころ、ようやくシャトルバスでクオリティインに到着しました。アメリカ映画によく出てくる、中央のプールを取り囲むように部屋が立ち並ぶ典型的なアパートメント式のホテルでした。白人の男性が一人、プールで悠々と泳いでいました。
 広い道路沿いに建ついわゆるモーテルですから、近隣にはいろいろなお店がありました。アメリカのことですから、隣の店へいくにも数分は歩くことになります。全ては自動車で移動するための立地になっているのです。そんな光景を見る度に、やっぱり大きいな〜アメリカだな〜とうれしくなってしまいました。
 喉の調子が悪い上に、おなかもすいてきました。ホテルのレストランでは、冒険になりませんので、外の普通のレストランを探しました。道路沿いに並んで高くそびえたつお店のサインを見て、ファミリーレストラン的なところに入ってみることにしました。
 学生ですから、それまで飲食店なんて日本でも三田の「鶴の屋」と「ユニコーン」くらいしか入った事がなかったのです。そんな若者が一人でアメリカのレストランに入店してしまったのです。
 対応してくれた女性が何を言っているのかは全く分かりませんでしたが、とりあえず指定された席に座ることができました。そしてメニューを見ました。受験英語で鍛えた身です。おおよその内容がわかりました。出来る限り珍しいものを注文しようと思いました。
 私はそれまで見たことも聞いたこともなかった料理を頼んだのです。
 「キャナイハブ、ビービーキュー、チキン?」
 しかし、サービスの女性は???という顔をしました。
 そして私に「バーベキュー、チキン?」と聞き返したのです。BBQってバーベキューのことなんだ!と初めて知った瞬間でした。
 それでも、つけあわせはライスか、コーンか、ポテトか、とか聞かれたり、ドレッシングはどうするかとか聞かれて、やっぱりアメリカだな〜全部自分で選ぶんだ〜とうれしくなりました。
 食事の途中でサービスの方が何かを聞きに来ましたが何を言っているのか全く分かりませんでした。いま思えば、恐らく「エヴリシング、オールライト?」とか言ったのだと思います。アメリカのレストランでは食事の途中で必ず味はどうか?とか、何か問題はないか?と聞きに来るのです。残念ながら、料理の味については全く覚えていません。
 さて、お会計です。困ってしまいました。アメリカのレストランではお会計をどうしたらいいのか、全く知りませんでした。とりあえずファミリーレストランっぽいところだから、レジみたいなところがあるのだろうなと思って、立ち上がって、入口付近まで行ってみました。すると、先ほどのサービスの女性が、びっくりしたような慌てたような顔つきで出てきました。当然のことです、私がお金を払わずに逃げてしまうのか、何かサービスに落ち度があったのかと驚いたのでしょう。どうやら会計はテーブルチェックのようなのです。当時の私はテーブルチェックの意味もあまり分かっていませんでしたが、とりあえずテーブルに戻り、請求書を待ちました。
 請求書を見て支払いをしました。問題はチップをどうするかということです。私はあまりにも経験が無さ過ぎて、こういうレストランでチップを払うのかどうかが分かりませんでした。一人で悩んでみたのですが、最終的にこういうカジュアルなレストランではチップは払わなくてはいいのではないか、と自分勝手に判断をしてしまいました。
 そして、チップを全くおかないまま、席を立ってしまったのです。アメリカでは、ファーストフードのように、自分で動く場合以外はチップは絶対に払わねばなりません。後ろから追われるようなこともありませんでしたが、日本人としてなんて恥じるべき事をしてしまったんだ、あの女性には申し訳なかったな〜と今でも反省しております。(ちなみに、自分の名誉のために申し上げますが、今ではアメリカのどんなレストランへ行こうとも、同行したお客様のためにレストランを予約して、ドリンクやフードメニューを選んで差し上げて、サービスに応じたチップとお勘定のお支払いを完璧に出来るようになりました。)
 以下は余談です。私が関係するある飲食店では、ときどき欧米人の方がお客様としておみえになるのですが、お通しを食べたにもかかわらず、その支払いを拒否する方がいるのです。その理由は、お通しは頼んでいないから、というものです。その店長たちは英語がしゃべれないから、説明が面倒なので、仕方ないといって泣き寝入りしていることがあるようです。(今では欧米人が来たらお通しを出さないそうです。)
 しかし、郷に入れば郷に従えという言葉のとおり、いくら欧米人とはいえ、日本では我が国のしきたりに従っていただくの基本です。
 例えば、台湾へ行けば、お通しが何種類も出てくる場合がありますが、欲しいものだけを取り、いらないものは全て拒否しなければなりません。拒否しないと全て請求されてしまいます。全部食べてしまってから、払わないよといえるような倫理観を我々はもっておりません。確かに私は大学生のときに一度だけアメリカで失礼なことをしてしまいましたが、その後は、日本人の礼儀としてその国のやり方に従っております。アメリカなら飲食店のチップは最低でも15%払いますし、その店の料理やサービスに感動できればもっと払います。
 言語、通貨、政治、経済、環境などなど・・・あらゆることについてそうですが、力の強いもの(特に欧米人)が、自分のやり方が世界で通用すると思っている態度には承服しがたいものがあります。そして日本人のプレゼンスは明らかに弱い。いま開催されている洞爺湖サミットの様子をテレビで見ながら、強くそう感じました。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://uedasasaya.blog79.fc2.com/tb.php/69-1876479b
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)