変わることができるのかどうか
短夜のみぎり、皆様方におかれましてはいかがお過ごしでございましょうか。日ごろは大変お世話になっております。誠にありがとうございます。
さて、我が国では労働力人口が年々減少しており、業種によっては労働者の確保が非常に難しくなってきています。そのせいなのかどうか、経営者の友人たちに聞くと、社員のミスに対して対応が甘くなりがちだったり、なすべき決断を躊躇しているという社長も多いようです。親しい友人の中には昔の雷親父よろしく、かんかんになって怒る勇ましい社長もいますが、このタイプの経営者はいまや少数派なのです。
では、仕事のできない部下に対して、どのように怒ったらいいのでしょうか。英語学習プログラムの営業で世界第二位になった和田裕美さんのご著書『こうして私は世界No.2セールスウーマンになった』には、部下を怒るときの面白い方法が書かれています。曰く、感情で怒ると後を引くから、冷静に怒りを演じる。怒りというのはある意味手段だから、お面のように、とったりつけたりするかのように怒ると便利だというのです。心の中で「今の机のたたき方いいかも」なんて思えるくらい余裕があったほうがいいそうです。
自分も若い頃は、カーッとなって、感情に流されて怒ってしまったことがありました。そういうときのことは今でもはっきり覚えていて、あの時はまずかったなあと後悔しています。感情で怒ってしまうということは、論理を超越しているわけですから、周りの人は誰も納得してくれません。
怒ることがいけないというのではないのです。社員を正したいという大義や正義感があるならば、理念と証拠と論理で詰めていく。そして、相手がどんなにヒートアップしても、ひるむことなく、冷静を保つ。言い逃れを決して許さず、最後まで詰めるという決意が必要だと思います。
では、叱ったり、教育したりしても、仕事が出来なかったり、変わることの出来ない社員がいた場合、どのように考えたらいいのでしょうか。
稲盛和夫さんの『高収益起業のつくり方』には、次のように書かれています。「仕事が出来ない人については、その人の仕事や会社に対する気持ちがどうなのかということを最初に問います。(中略)会社に対して愛情も尊敬もあまり持っていない。給料のために勤めているだけで、この会社でなくてもいいという人、一生懸命やる気がない人であれば、時期を見て辞めてもらうことを考えるべきだと思います。(中略)一番難しいのは、会社が好きでがんばってくれていても、仕事はあまりできないという人をどう遇するかという問題です。(中略)私は会社が好きで一生懸命働いてくれる人であれば大事にすべきだと考えています。」
一方、銀座まるかん創業者の斎藤一人さんの『変な人の書いた成功法則』には、こんなことが書かれています。「(前略)注意しても改善しないときには、その人をクビにできるか。これが社長の行程です。(中略)この人は、社長がクビにすることができるようになるまで悪いことを続けます。いくら思いやりをかけても、何をしても絶対に駄目です。というのも、それは人をクビにできるか、できないかの試験だからです。だから、愛情をもって接しても、その人は絶対に改めません。でも、その人もまた、自分がなぜそんなことをしてしまうのかが分からないのです。神様の摂理でそれをやらされているのですから。」
最近、人から指摘されたことがあります。それは、私が社員から良い社長だと思われたいという気持ちに負けて、厳しい決断を避け、判断を曖昧にしてしまっているのではないかということです。その結果、悪い社員はのさばり、会社全体に悪い影響を及ぼし、お客様にご迷惑をかけることになってしまいます。
私はお店を営業している家の子供に生まれ、小さい頃から祖父母の苦労話を聞いていました。誰某を助けてあげたのに、その後ひどい仕打ちを受けたとか、始めから損をすることは分かっていたのだけれども、あえて助けてあげたとか、商品を盗む人がいても目をつぶってあげたとか、横領されたのに見逃したとか、子供にとっては辛い話でした。それらの話は、自分がいくら損をしても、人様のためになればいいことなんだよ、という論理で一貫しておりました。この考え方は私や私の弟たちの精神構造のベースになっているのです。
しかし、そういう滅私奉公が、いま、真の意味で世の中のためになるのかどうか。戦前戦後、高度成長期に正しかったことが、今も正しいといえるのかどうか。
生前、元気だった頃の祖父母の顔を思い出しました。明治生まれの人です。遊ぶこともなく、地味にささやを守り続けていました。戦争のことや、昔のこと、勉強も教えてもらいました。
いま、私が社員に対して、変わることが出来るのか?と詰めているがごとく、祖父母も私に対して、変われるのか?と試しているのではないだろうか。祖父母の教えを思い出しながら、そんな気持ちになってまいりました。
参考文献
『こうして私は世界No.2セールスウーマンになった』和田裕美(ダイヤモンド社)
『高収益起業のつくり方』稲盛和夫(日本経済新聞社)
『変な人の書いた成功法則』斎藤一人(総合法令)
さて、我が国では労働力人口が年々減少しており、業種によっては労働者の確保が非常に難しくなってきています。そのせいなのかどうか、経営者の友人たちに聞くと、社員のミスに対して対応が甘くなりがちだったり、なすべき決断を躊躇しているという社長も多いようです。親しい友人の中には昔の雷親父よろしく、かんかんになって怒る勇ましい社長もいますが、このタイプの経営者はいまや少数派なのです。
では、仕事のできない部下に対して、どのように怒ったらいいのでしょうか。英語学習プログラムの営業で世界第二位になった和田裕美さんのご著書『こうして私は世界No.2セールスウーマンになった』には、部下を怒るときの面白い方法が書かれています。曰く、感情で怒ると後を引くから、冷静に怒りを演じる。怒りというのはある意味手段だから、お面のように、とったりつけたりするかのように怒ると便利だというのです。心の中で「今の机のたたき方いいかも」なんて思えるくらい余裕があったほうがいいそうです。
自分も若い頃は、カーッとなって、感情に流されて怒ってしまったことがありました。そういうときのことは今でもはっきり覚えていて、あの時はまずかったなあと後悔しています。感情で怒ってしまうということは、論理を超越しているわけですから、周りの人は誰も納得してくれません。
怒ることがいけないというのではないのです。社員を正したいという大義や正義感があるならば、理念と証拠と論理で詰めていく。そして、相手がどんなにヒートアップしても、ひるむことなく、冷静を保つ。言い逃れを決して許さず、最後まで詰めるという決意が必要だと思います。
では、叱ったり、教育したりしても、仕事が出来なかったり、変わることの出来ない社員がいた場合、どのように考えたらいいのでしょうか。
稲盛和夫さんの『高収益起業のつくり方』には、次のように書かれています。「仕事が出来ない人については、その人の仕事や会社に対する気持ちがどうなのかということを最初に問います。(中略)会社に対して愛情も尊敬もあまり持っていない。給料のために勤めているだけで、この会社でなくてもいいという人、一生懸命やる気がない人であれば、時期を見て辞めてもらうことを考えるべきだと思います。(中略)一番難しいのは、会社が好きでがんばってくれていても、仕事はあまりできないという人をどう遇するかという問題です。(中略)私は会社が好きで一生懸命働いてくれる人であれば大事にすべきだと考えています。」
一方、銀座まるかん創業者の斎藤一人さんの『変な人の書いた成功法則』には、こんなことが書かれています。「(前略)注意しても改善しないときには、その人をクビにできるか。これが社長の行程です。(中略)この人は、社長がクビにすることができるようになるまで悪いことを続けます。いくら思いやりをかけても、何をしても絶対に駄目です。というのも、それは人をクビにできるか、できないかの試験だからです。だから、愛情をもって接しても、その人は絶対に改めません。でも、その人もまた、自分がなぜそんなことをしてしまうのかが分からないのです。神様の摂理でそれをやらされているのですから。」
最近、人から指摘されたことがあります。それは、私が社員から良い社長だと思われたいという気持ちに負けて、厳しい決断を避け、判断を曖昧にしてしまっているのではないかということです。その結果、悪い社員はのさばり、会社全体に悪い影響を及ぼし、お客様にご迷惑をかけることになってしまいます。
私はお店を営業している家の子供に生まれ、小さい頃から祖父母の苦労話を聞いていました。誰某を助けてあげたのに、その後ひどい仕打ちを受けたとか、始めから損をすることは分かっていたのだけれども、あえて助けてあげたとか、商品を盗む人がいても目をつぶってあげたとか、横領されたのに見逃したとか、子供にとっては辛い話でした。それらの話は、自分がいくら損をしても、人様のためになればいいことなんだよ、という論理で一貫しておりました。この考え方は私や私の弟たちの精神構造のベースになっているのです。
しかし、そういう滅私奉公が、いま、真の意味で世の中のためになるのかどうか。戦前戦後、高度成長期に正しかったことが、今も正しいといえるのかどうか。
生前、元気だった頃の祖父母の顔を思い出しました。明治生まれの人です。遊ぶこともなく、地味にささやを守り続けていました。戦争のことや、昔のこと、勉強も教えてもらいました。
いま、私が社員に対して、変わることが出来るのか?と詰めているがごとく、祖父母も私に対して、変われるのか?と試しているのではないだろうか。祖父母の教えを思い出しながら、そんな気持ちになってまいりました。
参考文献
『こうして私は世界No.2セールスウーマンになった』和田裕美(ダイヤモンド社)
『高収益起業のつくり方』稲盛和夫(日本経済新聞社)
『変な人の書いた成功法則』斎藤一人(総合法令)




